ことばの遅れ・難聴について
ことばの遅れ・難聴とは?
ことばの発達には「聞いて理解する」「話す」の2つの側面があり、「聞いてい理解する力」が「話す力」の基本になります。
この2つの力は、その子の周りの人たちの関わりによって育っていきますが、ことばの発達が遅れる場合にはさまざまな原因が考えられます。
ことばが遅れる原因は?
主に次のような原因が考えられます。
- 1.耳の聞こえが悪い(難聴)
- ことばは通常、耳から聞いて覚えますので、聞こえが悪い状態が続くと、ことばが遅れるといわれています。
返事をしない、聞き返しが多い、テレビの音を大きくする、発音が悪い、などの症状があると難聴が疑われます。
- 2.知的発達の遅れ
- 知的機能の全般的発達に遅れがあると、ことばを聞き取ったり、理解したり、記憶したりすることが苦手となり、ことばの獲得が進みにくくなります。
- 3.対人関係の障害(自閉症など)
- 人への反応が乏しい、目が合いにくいなど人への関心が薄いと、ことばの獲得がスムーズにいきません。
自閉症は脳の働き方が違うことがわかっており、養育者のしつけの善し悪しが原因ではありません。
- 4.言語学習に限定された障害
- 1~3の要因がないのに、ことばを聞き取ること、まとめて話すこと、読む、書く等ことばに関係することだけに大きな落ち込みがみられる場合もあります。
(例:文字だけがなかなか覚えられない、読むことが難しい、書くことがとても苦手。)
いずれも脳の働き方によると考えられ、対応方法により改善の可能性があります。
ことばの遅れが心配なときは…
ことばが遅いようだ、遅いかもしれない、と気になる場合は1歳6ヶ月、3歳時健診時に保健所、保健福祉センター等でお尋ねください。
または、石川県言語聴覚士会のホームページからお近くの小児対象の施設を見つけ、受診してご相談ください。ことばの遅れの判定は、話していることばだけでなく、現在の発達全般の状態を把握し
・本当に遅れているのか?
・遅れているなら原因は何か?
を考えます。
難聴が疑われるのは?
難聴があると、相手のことばをうまく聞き取れなかったり、適切な発音や表現で自分の気持ちを伝えきれないとコミュニケーションに支障をきたす場合があります。
- 乳児期
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- 大きな物音や騒音に驚いたり不快感を示さない
- 人の声(特に小声やささやく声)に反応しない
- 音の出るおもちゃに反応しない・・・など
- 幼児期
-
- 話し声が大きい
- テレビの音を大きくする
- 聞き返しが多い
- 不明瞭な発音
- 言葉の遅れが疑わられる・・・など
軽〜中度難聴では、大きめの音や声には反応があり、幼児期にことばを少し話す場合もあるので、発見が遅れることがあります。
また、誕生時には問題がなくても後から聴力が低下する場合もあります。
難聴とわかったら
耳鼻咽喉科での治療後も難聴が残存する場合は、補聴器の装用・訓練を開始します。軽度難聴でも補聴器の装用をお勧めします。
訓練は言語聴覚士やろう学校の教論が行います。
- 訓練内容
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- 補聴器や人口内耳を通して音を聞く訓練
- 読話訓練(口の動きを読み取り、聴覚情報を補う)
- 手話、文字などを利用しての言語訓練
- コミュニケーション指導
難聴による問題はことばやコミュニケーション能力、社会性にも営業します。早い時期に適切な訓練を行うことで、予防し、改善することができます。
学校生活でお困りの場合は、特別支援教育の対象として配慮を受けられる場合もございますので、言語聴覚士、学校の先生にご相談ください。
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