言語障害について
言語障害について
脳梗塞や脳出血の後遺症として発症することばの障害には、大きく分けて2つあります。
一つは「失語症」、もう一つは「構音障害」と呼ばれるものです。この2つはよく混同され間違った対応をとられてしまうこともあります。以下に詳しく紹介します。
失語症とは?
脳卒中や頭部外傷などにより、脳の言語中枢に損傷を受け、それまでに獲得した言語機能(聞く・話す・読む・書く)に問題が生じた状態を「失語症」といいます。お一人ずつ、重症度や目立つ症状が異なります。
唇や舌の麻痺などによる構音(発音)の障害や、心理的な原因による発声の障害、認知症や精神疾患によることばの乱れとは別のものです。
より良い援助のためには、失語症について正しく理解することが大切です。
失語症の主な症状
聞く:話の内容が理解しにくい
話す:言いたいことばが出てきにくい。違うことばが出る
読む:字で書かれた単語や文章の意味が分かりにくい
書く:書きたい文字が思い出しにくい。違う文字を書く
構音障害とは?
唇や舌などの話し言葉に必要な器官を上手く動かすことが出来ないために、声が出にくかったり、呂律が回らず正しい発音が出来なくなる言語障害です。 脳梗塞や脳出血の後遺症による失語症や、認知症にともなう「ことばの思い出しにくさ」とは異なります。あくまで、話し言葉に必要な唇や舌などの器官が動きにくいことが原因です。
構音障害の主な症状
呼吸:声が小さい、長く続かない
発声:声が高くなる、または低くなる。ガラガラ声やかすれ声になる
発音:発音が不明瞭になる、もつれる
その他:声が鼻に抜けてふがふがした声になる。話す速度が遅くなる、リズムが不自然になる
言語聴覚士にご相談ください
言語聴覚士は、病院や施設などで、次のように様々な援助を行っています。
- 評価・情報収集
- 会話や必要な検査により言語障害の特徴・重症度を判断します。
- リハビリテーション
- 言語能力の改善や、日常的なコミュニケーションを獲得するためのリハビリテーションを実施します。
- 残された機能を最大限に活用する工夫を行います。
- 助言
- ことばのみでなく身振り・写真・絵・文字など様々な方法の中で、コミュニケーションのとりやすい手段をご本人やまわりの方々にご提案します。
- 心理・社会面の援助
- ご本人やご家族のお話を伺いながら、問題解決に向けて一緒に考えます。
- 他の職種や失語症友の会などと連携を図ります。
失語症パンフレット
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